About Ray Tracey

11953年生まれ。アリゾナ州のナバホ居留地出身。
9歳よりジュエリーデザインを始め、その後数々の賞を受賞。

ユタ大学で土木工学を専攻した後、ハリウッドに進出。俳優として数本の映画に出演。インディアンジュエリーを芸術として広く認知させた、ネイティブアメリカン・コンテンポラリーアートジュエラーの第一人者として、アメリカ全土では広く知られた存在。

彼の芸術は、並あるインディアンジュエリーとは一線を画す。部族の神話や伝統に敬意を払う一方、ヨーロッパ的センスを取り入れ、独創的であると同時にユニヴァーサルな魅力を放つ。

その作風はしばしば”野生のエレガンス”と評される。

貴金属の中に貴石をはめ込んでいく象嵌技法(インレイ)を駆使し、あたかもキャンバスに絵を描くように発想を刻み込んでいく、その技術的なレベルの高さはもちろん、独特の構成力や色彩感覚、そして絶妙なバランス感覚などのずば抜けたアート性によって、全米で揺るぎない評価を得ている。

デザインの中で彼が好む《非対称の世界》は、自分自身の中にある精神的な非対称性を表しており、そうした内的世界をターコイズ・珊瑚・ジェット(木が化石化した黒石)などの、サウスウエストのローカルな天然素材を用い、洗練された色彩で仕上げていく。

また、モチーフにおいては他のインディアンジュエリー作家同様、イーグルフェザー、ハートラインベアーなどの伝統的な造型を好む。とくにイーグルフェザーは彼のアートにおいて、人と人、異文化の間を自在に行き来するメッセンジャーとして重要な意味をおびる。

1976年には、スミソニアン博物館の依頼により、アメリカ建国200年記念の羽ペンをデザイン、その評価を不動のものとした。

Ray Tracey Atelier

《おもな受賞歴と活動》
1990. ギャロップ・インター・トリヴァル・セレモニー(Gallup Inter-Tribal Ceremonial)、ジュエリー部門入選
1991. サンタフェ・インディアン・マーケット(Santa Fe Indian Market)、部門賞
1992. サンタフェ・インディアン・マーケット、”他の素材とのコンビによるハンドメイド作品部門”第1位
1992. ニッチ誌(Niche Magazine)主催コンテスト、ファイナリスト
1993. サンタフェ・インディアン・マーケット、ネックレス部門第1位
1993,94.ニッチ誌(Niche Magazine)主催コンテストにて2年連続大賞受賞(ファイン・ジュエリー部門)
2007, 08. サンタフェのフランク・ハウエル・ギャラリーにて彫刻家ビル・ウォレルと日替わりでショーを開催

そのほか、グラミー賞を受賞したビル・ミラーや俳優のロドニー・グラントとの交流、ナバホフルート奏者・真砂秀朗との共演など、活動の領域は幅広い。